鉄骨やコンクリートが剥き出しの部屋では、決して味わえないぬくもりと高級感。個性的な木材たちが囁きかける空間は、素足で暮らしたいような部屋。ヨーロッパの木材たちが、なぜか不思議に和の心を伝えてくる。
これをベニヤと呼んでしまうのは、あまりにももったいない。広大な森林を有する“森の国”フィンランドは、ベニヤ板ですら品質が違う。日本のベニヤを思い浮かべた人は、このクオリティに驚愕するかもしれない。 フィンランドバーチ材 北米やヨーロッパの合板は、全て約1.5o厚でスライスした無垢の板を、水に強いゼロホルマリンの接着剤で貼り合わせて制作され、木目の美しさと価格の手頃さから仕上げ材として、若手の建築家の間でも広く利用されている。中でもヨーロッパ第一の合板メーカー、シャーマンウッド社のフィンランドバーチは、コンクリートの型枠材や大型トレーラーの床材、船舶等にも使用されるほど耐久性にすぐれ、層を成す木目のコントラストの美しさや、表面に使用された素材の素朴な風合いから、意匠性にもすぐれた最高級品。2003年にようやくシックハウス症候群の対策として、建築基準法で使用する接着剤のランク付けを義務付けられた日本のベニヤ板とは違い、早くからホルムアルデヒドなどの有害物質削減に取り組んできたヨーロッパ生まれのフィンランドバーチは、安全性の面でも日本の合板をはるかに凌いでいる。エスポワール・シリーズではこのフィンランドバーチを、シューズ・ボックス、システム・キッチンなどはもちろん、窓枠などの細部にまでふんだんに使用している。