Concept

雅な古典文学作品からイメージ

「竹から生える」の連想から、かぐや姫、竹取物語、平安時代...など言葉を繋げていき「たけとり」という名前に。和のテイストで、ひらがなという組み合わせが雰囲気をやわらかくし、平安時代のゆるやかな時の流れを思わせます。

「虹」をイメージした板塀

階段と2階通路、そしてベランダを彩る板塀。平安時代から所縁のある日本の伝統色を選び、雅な色合いにしました。深紅から始まり、山吹色、不言色、青磁色、常盤色、碧瑠璃...という順番が繰り返されます。各色の合間に桜鼠を挟み、外壁との色合いの調和をはかっています。

深紅(しんく)

深紅(しんく)

深みのある真っ赤な紅色。真紅とも表記され、韓紅(からくれない)と同色です。紅花はとても高価で、染め上げるのに要する紅花は同じ目方の金に匹敵するほどの高値でした。

山吹色(やまぶきいろ)

山吹色(やまぶきいろ)

支子(くちなし)の実を煎じて染め、わずかに蘇芳(すおう)の赤味をかけた色。名前は黄色の花を咲かせる植物の山吹に由来し、平安時代より用いられてきた。

不言色(いわぬいろ)

不言色(いわぬいろ)

暖かみのある鮮明な黄色。支子色の別名。支子の実と灰汁で染色された色です。口無しにかけて不言色(言わぬ色)とされますが、古今和歌集などでも詠まれている色名です。

青磁色(せいじいろ)

青磁色(せいじいろ)

やわらかい青みの緑色。青磁の発色は黄味、緑味、青味や濃淡の微妙な変化があり味わい深い色です。日本の宮廷では秘色(ひそく)と呼んで珍重されていました。

常盤色(ときわいろ)

常盤色(ときわいろ)

常緑樹の葉のように濃くて深い緑色。「ときわ」は常に変わらぬ岩の意味で、常緑の樹木である松や杉の緑の葉の色名としました。不老長寿の願いが込められている神聖な色です。

碧瑠璃(へきるり)

碧瑠璃(へきるり)

濃い紫みの鮮やかな青色。瑠璃色の別名。仏教の七宝の色彩の中で唯一の青の宝石が瑠璃であり、青の色の中で最上の青であることを称賛する美称の色を碧瑠璃と呼ぶことがあります。

桜鼠(さくらねずみ)

桜鼠(さくらねずみ)

淡い紅色を灰みがかせた、わずかにくすんだ桜色。色味に鼠がつく色は江戸時代初期頃から見られますが、桜鼠という色名は元禄以降に用いられるようになったのではないかと言われています。




竹と石で彩る

1階の共用廊下にあがる階段の足元と、1階の手前にもう一か所。さらに、植物ではありませんが階段の足元の植え込みには竹を割った形のライトも設置しました。夜にライトから浮かび上がる、『竹取物語』のワンシーンをイメージ

六方石・錆ゴロタ石・ガラスゴロタ石

立ち上がりのところにあるのは六方石。奥には茶色の丸い石の「錆ゴロタ石」と「ガラスゴロタ石」を置き、和の空間を表現しています。キラキラと光って見える様子は、かぐや姫の美しさを彷彿とさせます。

黒竹・タマリュウ

黒竹(クロチク)と、根元には暑さにも寒さにも強い植物・タマリュウ。タマリュウは「リュウノヒゲ」と似ていますが、ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)族の一種なので仲間です。

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