パリの老舗サロン・ド・テ「ラデュレ」

2008年09月14日

2008年7月26日、東京・銀座三越にパリの老舗洋菓子店LADUREE(ラデュレ)が、ついにオープンしました。
ここのカラフルな焼き菓子「マカロン」は有名ですね。
オープン当初は連日長蛇の列で、5時間待ちということもあり、日本における「ラデュレ」の人気の程がうかがえます。
新築デザイナーズ「マカロン」のモチーフともなれば、さっそく平日のランチ過ぎを狙ってお邪魔してみました。

料理通信料理通信

*「ラデュレ」紹介記事 料理通信9月号より

「ラデュレ」の歴史は古く、その創業は1862年、パリ区のロワイヤル通りに、製粉業者だったルイ=エルネスト・ラデュレがブーランジェリー(パン屋)として開いたのが始まりです。
途中、火災があったのを機にパティスリーに生まれ変わりました。
カフェが上流社会の社交場として発達し、さらにパリ万国博覧会の開催により人々がパリに集まるようになると、この状況をみたエルネスト・ラデュレの妻ジャンヌ・スーシャルが、カフェとパティスリーを合わせることを思いつき、ここにパリ初のサロン・ド・テが誕生したのです。

格調高いメゾンとして世界中の人々を魅了し続け、ロンドン、モナコ、ジュネーブ、ロザンヌに続き、ついには日本に初上陸…その勢いはめざましく、世界へと広がりつつあります。

銀座店のエントランスは三越の2階。
店内は「ラデュレ」ならではの優雅で洗練された装飾、落ち着いた雰囲気のサロンとなっております。

ブルーグレーを基調にした「マリー・アントワネット」と呼ばれるサロンは、壁に木彫りの装飾を施し、ルイ16世様式のテーブルと、ショフーズと呼ばれる座部の低い椅子が整然と並んでいます。
フランス語で”組み合わせ模様”を意味する「サロン・アントゥルラ」の床の絨毯は、「サロン・アントゥルラ」をモチーフにした組み合わせ模様となっています。
窓際には小さな円卓とベルベットの椅子が置かれ、交差点の景色を一望できる空間となっていました。

ラデュレ テーブルセッティング ラデュレ ティーセット
ラデュレ マカロンとイスパハン

「マカロン(macaron)」とは、アーモンドを使ったフランスを代表する洋菓子ですが、その起源は16世紀にイタリアから伝わってきたと言われています。
原型は卵白、粗めのアーモンドプードルでつくられたゴツゴツとした丸いクッキーのようなお菓子でした。

持ってきたのは、16世紀にフィレンツェの名家メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシス。
フランスの国王アンリ2世と結婚する際に持ち込んだ、「アマレッティ」と呼ばれるイタリアの古典的なお菓子が原型。
材料は、卵白・砂糖・アーモンドプードルといたってシンプルですが、アマレットと言うアーモンドの香りのするリキュールを入れます。
その後 、フランス各地で形や食感も様々に違うものが誕生していきました。

最もポピュラーなのが表面がすべすべして、まわりにピエ(フランス語で足)のついた、クリームを挟んだマカロン・パリジャン(別名「マカロン・ジェルベ」「マカロン・リス」)。
このパリ風マカロンこそが「ラデュレ」のマカロン。
エルネスト・ラデュレの従弟ピエール・デフォンテーヌが、それまで一つであったマカロンを、2つに合わせ、中にガナッシュを挟むことを思いついたことから始まりました。

マカロンの中でも最古と言われているのが、791年に誕生したロワール地方コルムリー修道院の、真ん中に穴があいた奇抜な形のマカロンです。
ほかに、13世紀から作られているサンテミリオンの「ひび割れたマカロン」と言う意味の「マカロンクラックレ」や、フランス北部のピカルディー地方の古都アミアンで誕生した「マカロン・ダミアン」などもあります。

その後でいえば、18世紀から作られているカルメル会修道女によって伝えられたと言われる、平たい形で表面がひび割れている「スールマカロン」、名産のソーテルヌなどの甘口ワインを入れて作るボルドー地方の「サン・テミリオン・マカロン」、ハチミツ入りのアミアンのマカロンなどなど…「マカロン」と一口にいっても、その形や材料の違いで、実にたくさんの種類があるのに驚かされます。

ラデュレ マカロン ラデュレ ケーキ

「ラデュレ」のマカロンは今でも当時のレシピが守られており、約48時間寝かしてから売り場に出されるそうです。
外がサクッとしていて、中がしっとりとした食感です。

毎シーズン、新しい味を創作しては新作コレクションとして発売しています。
目当てのマカロンがある方は、早めにいかれたほうが無難かもしれません(並んでいる最中、係りの方が品切れになったのを何回かお知らせしていました!?)。
一度食べたら病みつきになること、間違いなしです。

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