「蕾傳」時代の中で流行した伝統色

2017年05月26日

今回は、「蕾傳」の02・03号室、05・08号室の伝統色についてのご紹介です。

02・03号室は、リビングと通じるテラスが、外から視線を遮るほどひときわ高い位置にあり、階段を上っていく珍しいスタイル。階段奥にある空間には、薄く墨色がかったような青鈍(あおにび)で、下にある空間を引き立てています。青鈍は黒染に露草の汁や藍をさして染めた色で、平安時代には僧尼の衣の色に使われていました。

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そして、02・03・05・08号室キッチン流しの足元には鮮やかで濃い色合いの赤紅(あかべに)を。江戸初期から愛用されている色で、天保-貞享の頃には「赤紅の鹿の子染め(かのこぞめ)」が流行ったほど。京都の上流層では夫人が着る小袖にも取りいれられ、「赤きもの召し玉はば緋綸子 ひりんず紅かのこなどよし(女鏡秘傳書より)」などといって人気がありました。

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05・08号室の1Fのリビングの一面には、明るい色合いの玉子色で雰囲気も自然と和やかなものに。
この色は江戸時代前期から見られるようになった染色で、寛政年間に流行った歌「はたおり唄」や西鶴の「好色一代女」からも、玉子色が流行っていいた事がわかります。目がよく行く場所だけに、ビタミンカラーとなってくれます。

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