「蕾傳」玄関を彩る日本の伝統色

2017年05月24日

01号室と04号室は、入ったらそこはユーティリティールーム。リビングと段差があり、コートを脱ぐなどしてお部屋に入る前のワンクッションになる空間。また、棚を活用してちょっとしたギヤラリースペースにもなります。

6段ある収納部分の壁には、勝色(かついろ)が用いられています。紺よりもさらに濃く、黒色に見えるほど暗い藍色です。
「かつ」とは、藍を濃く染み込ませる為に布などを叩いたことから付けられており、「搗」や「褐」といった漢字が使われていましたが、鎌倉時代になると「勝」に。その濃い藍染に質実剛健を感じ、縁起色として変えたのです。日清・日露戦争では、「軍勝色」として軍服にも使われていました。

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また、エントランス側のもう一つの棚の壁には、利休鼠(りきゅうねず)木枯茶(きがらちゃ)を交互に使用。この2色は、キッチンにも使用されています。

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↓01号室        ↓04号室

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頭に「利休」と名がつく色は、大茶人・千利休が好んだ色。他にも利休茶、利休柳といった色があります。茶葉や抹茶のような色味の利休鼠は、風流で高尚な色。粋を好む江戸の人々にも愛された色でした。

木枯茶は褐色味の濃い黄褐色で、「手鑑模様節用」には「黄枯茶、古名黄櫨染、又木欄色に同じ、櫨紅葉の色か」と記されています。江戸前期から中期において流行し、身分も場所も問わず好まれた色です。

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