『ひより』のコンセプトとなった「民藝運動の"用の美"」とは、どのようなものなのか?
まずは"民藝"というものについてご紹介します。
民藝とは「民衆的工芸」を略した造語であり、柳宗悦や彼と同じ思想を持った陶芸家の濱田庄司、河井寛次郎らによってつくられた言葉です。
彼らは、1926年に「日本民藝美術館設立趣意書」を発刊したのに伴い民藝運動(生活文化運動)をスタートさせました。その活動内容は、『伝統的な「用の美」をもった民藝品の蒐集』『伝統的な作品の手仕事による技術の復興』『時代に即した新しいものづくりを推進し、 指導者となる個人作家の支援』などです。
*「民藝」200年12月号、2015年7月号、2016年9月号より
では、具体的に民藝とはどんな作品を言うのでしょうか?
民藝運動の中心人物である柳宗悦が定義した民藝とは、当時の工芸文化として一般的であった「華美な装飾を施した観賞用の作品」ではなく、名も無き職人の手から生み出された「一般の民衆が必要とする作品」。毎日使うような日用品にこそ美が必要だと考えたのです。すなわち、これが"用の美"と呼ばれるもの。
また、柳宗悦は民藝の特性を「実用性、無銘性、複数性、廉価性、労働性、地方性、分業性、伝統性、他力性」という言葉で表現しています。
民藝運動によってつくりだされた多くの作品は、柳宗悦が初代館長を務めた『日本民藝館』や各地の民藝館・美術館に保管・展示されています。特に日本民藝館では、柳宗悦が選んだ陶磁器・染織品・木漆工品・絵画など、日本をはじめとした諸外国の新古の民藝品が約1万7千点ほど収蔵されており、より民藝を実感できる場所といえるでしょう。
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投稿者:よしはら | 日時:2017年2月28日 13:36
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