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ブラッド・ピットやマーク・ジェイコブスが、競ってコレクションするジャン・プルヴェの家具。日本ではあまり馴染みがないですが、素晴らしい建築や家具を数多く残しています。
そんな彼の生涯と作品がまとめられた1冊『COMPACT DESIGN PORTFOLIO ~jean prouve ~』を最近読みました!

プルヴェ表紙.jpg


”彼はエンジニアの魂と建築家の心を合わせもっている”
これは、ル・コルビュジェがプルヴェを評して語ったことばだそうです。
ジャン・プルヴェは、アール・ヌーヴォーの巨匠、ヴィクトール・プルヴェを父に持つフランス人です。アール・ヌーヴォーの環境の中で鉄工芸の技術を習得し、誰よりも早く、スチールを素材とした家具製作を手掛けています。

プルヴェの家具は大衆向けに作られたもので、そのねらいは、大量生産、暮らしやすさ、独創的な実用性といったところにありました。
彼の家具を見ていくと、確かに合理的で無駄の無いデザインでとても使い勝手の良さそうなものばかり。例えば、プルヴェの家具でもっとも有名なもののひとつ、航空機を思わせる特徴的な後ろ脚をもつスタンダード・チェアという小椅子は、後脚が前脚よりも幅広になっており、耐久性と安定性が考慮されていることがわかります。デザイン的に特徴のあるものも、実用性を重視したからこそ生まれているカタチなのです。


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プルヴェ椅子04.jpgプルヴェ椅子03.jpg

ジャン・プルヴェの目指すところは”日常的な人間主義”でした。つまり「人は謙虚さをもって生き、創造しなければならない」、ということです。傑出した作品群を生みだしたのにもかかわらず、あまり大きな影響を残していないように見えるのは彼がこのような信条を持っていたからなのかもしれませんね。
地に足の着いた生き方をするよう導いてくれるような、気取りのない彼の作品からは、ジャン・プルヴェという人の誠実さがにじみ出ているようです。


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投稿者:なかがわ | 日時:2008年9月 1日 10:10

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